豆いち 

珈琲豆とうつわと絵葉書の店

アレンジャーというお仕事。

2009/11/10 00:05/アレンジャーというお仕事。
私が持っているレコードの中で、特にヴォーカルのアルバムはキャピトル・レコードのものが多く含まれます。

キャピトル・レコードはハリウッドのレコード会社で、1956年に完成した同社の本社ビルは、円柱形の形状から“キャピトル・タワー”と呼ばれています。
13階のこの建物は、円盤を12個重ねてその上に棒が立っているような形であり、この円盤はレコード盤を、棒はレコード針を模していると言われています。
なにか地球が急に氷河期になるみたいな映画でこのタワーの模型が出ていました。

この建物を作ったといわれるほど稼いだのはフランシス・アルバート・シナトラですが、キャピトル・レコードの屋台骨を作ったのはナット・キング・コールとなり、この二人を大きく売り出すための道具立てとして有能なアレンジャーがおりました。

それがすなわち、ビリー・メイ、ネルソン・リドル、ゴードン・ジェンキンスです。
三人はスイング時代、それぞれプレーヤーとして一流のバンド、即ちグレン・ミラー(ビリー・メイ)、トミー・ドーシー(ネルソン・リドル)、イシャム・ジョーンズ(ゴードン・ジェンキンス)の各楽団でプレーしていました。
大戦後、ビッグバンドビジネスが成り立たなくなり、各楽団は解散を余儀なくされます。そして歌い手の時代がやってきた時、彼らの才能が花開きアメリカ独特の「ゴージャス」なサウンドを手に入れました。
それはハリウッドという映画の玉手箱の音楽部門を、そっくりいただいて旨みを凝縮したようなサウンドになりました。

写真は全てナット・キングコールのLP。コールも有能なピアニストだったのですが、時代の要請でしょうか、歌手になってしまうのです。ピアニスト時代の模倣者としてレイ・チャールズが挙げられます。
上がビリー・メイアレンジ、下左がゴードン・ジェンキンス、下右がネルソン・リドル、職人技が冴え渡る逸品です。そしてこの三人は同時にシナトラの仕事もやってたんですねぇ。全て素晴らしいサウンドです。
2009/11/10 00:05 (C) 珈琲豆屋です!

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